熊谷市:萬頂山集福寺(しゅうふくじ)
宗派 曹洞宗(臨済宗寺院として開山後、曹洞宗寺院として改宗)
本尊 千手観音像
七堂伽藍を備え、かつては多くの修行僧が寝泊まりを行った事もあるそうです
いいお顔の六地蔵様が並んでいました
台座には「天明7年」。江戸時代最大の大飢饉『天明の大飢饉』の頃。安寧の世を願って建てられたのかもしれません
山門:萬頂山の扁額が掲げられています
側面から見ると傷んだ袖塀に漆喰下の竹小舞壁が見えていました。屋根は緩やかです
掲示板に集福寺境内・建造物群が熊谷市指定記念物(史跡)に指定された指定書
当時の新聞がありました
「残っているのは奇跡」…技術レベル高い伽藍形式残る熊谷の集福寺 市文化財指定を記念し特別公開|埼玉新聞|埼玉の最新ニュース・スポーツ・地域の話題
埼玉県唯一の県紙「埼玉新聞」のニュースサイト。さいたま、川口、川越、熊谷、春日部、越谷、秩父など埼玉県内の事件事故、政治行政、経済、スポーツ、話題を発信。夏の高校野球や浦和レッズ、大宮アルディージャの情報も充実しています。
朱塗りの山門から境内に入ります
本堂(法堂):入母屋屋根、唐破風付き
唐破風屋根の懸魚は二匹の蓑亀、波の表現も豊かです。向拝柱上の組物も大変凝ってます。
蓑亀(みのがめ):甲羅 こうら に緑藻などが生え、蓑を着ているように見えるイシガメ。古来より長寿のしるしとされ、文様などに描かれる。中国では5世紀頃より書物に記述が見られるそうです。
内部を見る事が出来ました。彩色された獅子の欄間彫刻
向拝柱の彫刻も繊細 。紗綾形(さやがた。または卍崩し)と毘沙門亀甲のようです。共に日本古来より使われている吉祥文様。文様も調べると奥が深くて面白いです。
卍はヒンドゥー教や仏教で用いられる吉祥印。釈迦の体に現れた吉相に由来するとされ、幸福をいみします。連鎖させると不断長久絶えることなく長く続く事を表現
立派な松の木と袴鐘楼
仏殿
虹梁の上に板状の蟇股
二層の仏殿:寛政2年(1970年)建立
軒裏:1層目は平行垂木、2層目は隅扇垂木
境内は回廊で繋がっています
【アクセス】
住所:埼玉県熊谷市下奈良551
交通:熊谷駅からバス「奈良小学校前」下車、約5分
周辺地図
大きな観光寺、といった雰囲気ではありませんが境内は一見の価値ありです!