岩松寺(羽生市)/向拝虹梁の風神と雷神、養蚕揺籃(ようさんようらん)の地

利根地域
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瑞雲山 岩松寺(がんしょうじ):羽生市

宗派  曹洞宗

本尊  釈迦牟尼仏

建立  天正13年(1544)羽生城主・木戸忠朝

養蚕揺籃(ようさんようらん)? 聞きなれない言葉です、調べてみました

養蚕=蚕(カイコ)を養い生糸を作る養蚕業。揺籃ようらん=物事の発展の初期段階。養蚕業が始まり発展した地、という事でした

羽生市は埼玉県北部にありますが、世界遺産で有名な富岡製糸場は群馬県と距離も近い。地図で見たら共に「利根川沿い」でした。製紙に必要な水が十分という事も立地の条件のようです

群馬県太田市・大田山金龍寺の末寺。建立:天正13年(1544)に羽生城主・木戸忠朝。開基:北条氏康の軍監「柴山縫殿之介」。開山:金龍寺六世玄州禅師

寺院巡りをしていると、建立、開基、開山と様々な言葉があり迷います。調べたところ、大まかに言うと

開山:寺を創始する事。初代住職を指す

開基:寺院を始める際に経済的な支援をした人。有力檀家

地蔵群

山門

瑞煌堂

本堂

ん?向拝虹梁上の中央は龍ですが、左右に何かみえます

風神でした。ということは・・反対側は

雷神です。向拝の上で桁を支えているようです

風神・雷神が祀られている山門は多く見ますが、御本堂の虹梁にあるのは珍しい。ところで風神・雷神って何だっけ?風の神、雷の神というイメージですが

共にインド最古の聖典とされる「リグ・ヴェーダ」に登場する神様で、自然現象を神格化。古事記や日本書紀にも登場。風神「ヴァーユ」馬車で天を駆け巡り悪神を追い払う。『古事記』ではイザナギとイザナミの間に生まれた「シナトベノミコト」が風の神とされます。雷神「ヴェルナ」水の神様。学問の神様として有名な菅原道真は死後「天神」になったとされます。共に本格的に仏教に取り入れられてからは千手観音を護る役割があるとされたが、次第に切り離されて風神・雷神というキャラクターが独り歩きしたようです。

風神・雷神といえば俵屋宗達や尾形光琳による「風神雷神図屏風」が有名ですね。

妻側の様子

妻壁は二重虹梁、蟇股が付いています

【アクセス】

住所:埼玉県羽生市上岩瀬1753

交通:◆電車 秩父鉄道秩父本線「西羽生」駅より徒歩約10分、東武伊勢崎線「羽生」駅より徒歩約15分 ◆バス 「岩瀬公民館」下車徒歩8分

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