埼玉県のお寺を訪問すると緑色の大きな板碑を見る事があります。2メートルを超える物もあり、先が尖っていたり、梵字が書かれています
あるお寺で詳しい説明がありました
板碑:死者の成仏や自らの死後の極楽往生を願って造られた板状石の供養塔。鎌倉時代から室町時代にかけて盛んに造られた。秩父産の緑泥片岩(秩父青石)が主に用いられたことから「青石塔婆」または「板石塔婆」とも呼ばれる。埼玉県は全国で最も板碑が多く、約27,000基あるともいわれる。
鴻巣市「龍昌寺」大小凄い数が並びます
大きく梵字が書かれています
埼玉県坂戸市「宗福寺」1356年の紀年銘。高さ280㎝、幅67㎝
川島町「養竹院」
滑川町「成安寺」
熊谷市「真光寺」/日本で2番目に古い安貞2年(1228)銘板石塔婆
元は熊谷市内「観音寺」の墓地にあったようですが明治時代の廃仏毀釈により廃寺。真光寺に移されました。材質:緑泥石片岩製。高さ126センチ・上部幅34センチ、下部幅39センチ・厚さ6.5センチ。梵字で「阿弥陀如来」が彫られています
埼玉県が全国で最も板碑が多い理由
埼玉県秩父「長瀞」付近では板碑の結晶片岩が取れます
結晶片岩:岩石の一部が、約8500万年~約6600万年前(中生代白亜紀)にプレートとともに地下20 ~30kmの深さに引きずり込まれてできた岩石。結晶片岩は薄くパイ生地のように剥がれやすい
ライン下り。川の流れは穏やかです
一帯全てが結晶片岩。パイ生地の様に幾層にも重なっています。
これですね
埼玉県内の寺院を訪問する際は、是非「板碑」探してみて下さいね
<追記>
上野にある東京国立博物館の「平成館」では板碑が展示されています
板碑について(抜粋):主に故人の冥福を祈る為に作られた石製塔婆です。鎌倉時代の中頃から室町時代にかけて、北海道から鹿児島県まで全国で作られました。板碑の作例は特に関東地方に集中しており、その多くは「武蔵型板碑」と呼ばれる形式のもので、関東の武士が大きく関与していたと考えられます。
梵字や板碑の詳しい解説。梵字が仏様を表しているのですね