円照寺(羽生市)/田山花袋小説「田舎教師」モデル、お種さんの墓所

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羽生市:薬王山東方院 円照寺(えんしょうじ)/羽生市

宗派  真言宗豊山派

本尊  弥勒菩薩

開山  明治時代の火災により詳細な資料が焼失しています

地名が本尊の「弥勒」であることからかなり歴史のあるお寺のようです

鐘楼門:上層に梵鐘がありました

縁起看板。読みづらい所もありますが、田山花袋の小説『田舎教師』に登場する「お種さん」にご縁のあるお寺と読めます

新潮社ホームページより 

家庭貧しく進学できない文学青年林清三は、寒村の小学校教師として赴任する。彼は文士の動きに熱っぽい関心を持ち、同僚を見ては「まごまごしていると自分もこうなってしまう」と焦るが、やがて憧れは薄れ、教員生活に埋もれてゆく……。野心に燃えながら田舎の教師として短い生涯を終えた青年の出世主義とその挫折を、田舎町の風物や生活の中に描いた自然主義文学の代表的作品。1909年(明治42年)刊

山門

左手の石碑に山門についての記述。

「円照寺山門について」
元来「寺」というものは人を護る砦であり城であった

故に寺の門は「山門」と呼ばれている
古くは円照寺にも立派な山門があったと伝えられていたが
このたびの建設に当っては江戸城の半蔵門を参照して
古き良きものと現代の美をかもし出した

半蔵門は戦国の門であり戦う門である反面守る門でもある
従ってこの山門は円照寺を守り檀家の先祖を守っている
又この山門には扉を付けなかった
扉は人の心を遮断するからである
寺は常に多くの人の出入りを歓迎している
この門は豪胆にして優雅である
これがこの山門の良さであり円照寺には格好な山門である

昭和五十二年春彼岸 十六世 総信代
壇徒総代 建設委員長 間下早苗

山門をくぐるたびにぞ思はゆる
吾が先祖(おや)の思 御佛の思  守信

弥勒堂

本堂:寄棟屋根

お種さんが使われた日用品なども展示してあるようです

小川ネンさんの墓。田山花袋の小説『田舎教師』では「小川屋のお種さんという色白娘が…」と作中に描かれた小川屋はそのままの名で実在しており、学校にお弁当を届けた「お種さん」は、小川屋の娘「小川ネン」さんがモデルでした。

ちなみに、田舎教師のモデルとなった小林秀三の墓は同市内「建福寺」にあります。羽生市自体が小説・田舎教師の舞台なんですね

建福寺:埼玉県羽生市南1-3-21

広い駐車場が墓地の奥にあります

【アクセス】

東北自動車道

住所:埼玉県羽生市弥勒1536

交通:バス「田舎教師像」前から徒歩4分

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