庚申塔(こうしんとう)、青面金剛って?

地蔵、狛犬、塚
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そもそも「庚申」って何だろう

「こうしん、かのえさる」とも言い、日本の民間信仰である「庚申信仰」に基づいています

庚申信仰道教、仏教、神道その他が混ざった信仰。そして庚申は干支(じっかん)、十二支(じゅうにし)の組み合わせによる六十干支における57番目の干支の組み合わせ。60を1周期として巡る。60日ごとに「庚申の日」が巡ってきます。起源は中国の道教思想に由来しています。

ビックカメラのカレンダーにありますね。1920年、1980年のところに「庚申」

なぜ60ある中で「庚申」なのか

「道教」では人間の体内には三尸(さんし)という三種類の虫が棲み、人が眠っている間にその人の事を全て天帝に報告に行くので、三尸が体内から抜け出すとされる庚申の日(六十日に一度)の夜は寝てはいけないとされていました。共同飲食しながら徹夜して語り明かし、夫婦の交わりを禁じるなど各種の禁忌がともなう事もされたそうです。

平安貴族の間には「庚申御遊(こうしんぎょゆう)」という詩歌・管弦等の優雅な酒宴で夜を過ごすことが広まり、江戸期には「庚申待」と名前を変えて、庚申の日の夜に人々が集まって徹夜で過ごすという習俗的な民間信仰が一般庶民の間でも盛んに行われるようになりました。

60日ごとにめぐってくる庚申(かのえさる)の日に、講中(こうちゅう)の人たちが当番の家に集まり、一定の儀式のあと夜を徹して飲食を共にし、夜明けと共に解散するというのが庚申講(こうしんこう)の一般的な形です。これは江戸時代以降に農村で流行した庶民信仰(しょみんしんこう)であり、講の継続を記念して、供養のために講中の人々によって庚申塔(こうしんとう)が造立されるようになります。

庚申塔も色々ある

庚申塔の形態は、角柱(かくちゅう)(墓石形)のものが最も多く、次いで駒形(こまがた)、舟形(ふながた)等となっています。庚申塔の中央に彫られる主尊(しゅそん)は、ほとんどが青面金剛(しょうめんこんごう)で、他には地蔵菩薩(じぞうぼさつ)や特定の尊像(そんぞう)を彫らずに文字だけのものも若干みられます

青面金剛:唐の時代「インド密教:マハーカーラ」の姿が説明抜きで絵図だけ一人歩きして中国に伝わる。ドクロの首飾りや蛇を巻き付けた怖い姿から病気を流行らせる悪鬼と誤伝され「青面金剛」と命名され病気平癒祈祷用に使われた。 マハーカーラと青面金剛の関係は「誤伝」であり、本来は無関係である。三尸(さんし)を抑える神とされる(Wikipedia参考)

マーハーカーラは、ヒンズー教の最強神シヴァ神に対抗するために『仏教側で作った神様』であり、いわば仏教の大将軍。そしてシヴァ神などヒンズー教の神を踏みつける(征伐する)姿なったようです。

様々な形がありますが下の写真の様に「邪鬼(じゃき)を踏みつける青面金剛(しょうめんこんごう)が中央に立ち、青面金剛の神使(しんし)である三猿(さんえん:見ざる、聞かざる、言わざる)という謹慎(きんしん)の態度。そして日待(ひまち)・月待(つきまち)信仰を意味する日月や、にわとりが彫られることもあります。

角柱型:文字だけのもの

駒形型:青面金剛、邪鬼、三猿、足元にはニワトリ

こちらにも二羽のニワトリが見えます

駒型:「庚申」+「三猿」

屋根付きもありました

ご近所、通学通勤路で何気なく通り過ぎている所にもあるかも知れませんよ

商店街の名前だったり、駅名にも多いですね

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