孤峯山寳池院 馬蹄寺(ばていじ)/上尾市
宗派 浄土宗
本尊 阿弥陀如来像
創建 鎌倉時代、のち感誉存貞(かんよぞんてい)上人が浄土宗寺院として中興、天正18年(1590)に当地へ移転
足立坂東東観音霊場28番
【所有文化財】
- 馬蹄寺のモクコク、推定樹齢650年(埼玉県指定天然記念物)
- 紙本着色釈迦三尊像図(上尾市指定文化財)
- 鈴木荘丹俳諧歌碑(上尾市指定文化財)
- 馬蹄寺徳本行者六字名号供養塔(上尾市指定文化財)
【寺院縁起】
鎌倉時代、吾妻左衛門是好が伯父三輪庄司好光の菩提を弔う為に草庵を建立。当初は「馬蹄庵」と呼ばれ馬頭観音を安置、馬を飼う人の崇敬を集める。のち、天文年中(1532-55)感誉存貞上人が浄土宗寺院として中興。江戸期には徳川家光より寺領15石の御朱印状を拝領。
感誉存貞上人は芝・増上寺10代法主であり、川越市:蓮馨寺(れんけいじ)を建立した名僧です。
正面からの眺め。鐘楼、山門、本堂。綺麗に整備されています
石柱右手に特徴的な「南無阿弥陀仏」の石碑
【説明看板】
上尾市指定有形民俗文化財 馬蹄寺徳本行者六字名号供養塔(とくほんぎょうじゃろくじみょうごうくようとう)上尾市大字平方2088 馬蹄寺 平成23年3月22日指定
徳本行者は、宝暦8年(1758)紀州日高郡に生まれ、天明4年(1784)に出家し、近畿・関東・相模・信濃・飛騨・越中・越後・加賀及び江戸等各地を巡り、昼夜不断の念仏や苦行を行い、念仏聖として知られていた。文化11年(1814)、小石川に一行院が再興された際、中興開山となった。一行院では、庶民に十念を授けるなど教化につとめたが、特に大奥の女中衆で帰依する者が多かったという。文政元(1818)年10月6日示寂、享年61歳であった。
その平易な念仏信仰は、広く受け入りられ各地に講が結ばれその筆跡の六字名号を刻んだ供養塔が各地に造立されている。円頭角柱の正面に徳本独特の書体で「南無阿弥陀仏」と陰刻し、その下に「徳本(花押)」とある。台座正面に「講中」とあることから、馬蹄寺を中心に結んだ念仏講により造立されたものと思われる。
紀年銘の文化14(1817)年11月は、『徳本行者全集』にみられる「文化14年11月11日、平方の里馬蹄寺におゐて斎を致し」の記事と符合する。上尾市内に徳本行者の供養塔は三基残っており、それぞれの地域の振興の様相を知ることができる貴重な文化財といえる。
袴鐘楼
軒裏は繁垂木
蟇股:波の様な優雅な曲線
山門、袖塀付き
モクコクは樹齢650年。枝が大きく広がります
つばき科の常緑広葉樹であり、日本(千葉県以西)から東南アジア、朝鮮半島南部・台湾・中国大陸・インドに分布。幹周り約2.6m、樹高12.5m、幹の途中から多数の大枝が広がります。「モクコク」の根元には「鈴木荘丹俳諧歌碑」1基(市指定文化財)が建っています。
本堂:寄棟屋根、唐破風付
室町時代の釈迦三尊像図を所有
古井戸
六地蔵
【アクセス】
住所:埼玉県上尾市平方2088
最寄り駅:JR川越線・指扇(約3.9km)、西大宮(約4.8km)
最寄りバス停:横川新道(徒歩約1分)、下宿公民館西(徒歩約2分)、馬蹄寺東(徒歩約2分)
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